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人口問題。

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今日は新学期3日目。やっと本格的に授業が始まりつつある。しかしまだ今日の授業はさわりだけ、という感じだった。なので昨日の授業で見たビデオについて今日は書いてみる。

昨日の授業の後半で見たビデオは、人口問題に関連した内容で何カ国を比較したものだった。最初はインドの悲惨な状態での生活が映し出され、どうして人口が減らせないのかについていろいろと問題が提起された。男尊女卑社会、女性は男性に依存する生活、教育を受けていないため避妊についても何もしらない女性達、結婚はほとんどがアレンジされたもの、将来の保障のためにどうしても男の子をたくさんほしがる男性の母親。これらが人口増加率に歯止めがかからない原因として紹介されていた。

徹底した男尊女卑のため、女性が家庭内の暴力で殺されてしまうこともかなりあるとのこと。こうした女性への不当な取り扱いや家族の生活を改善するために、Social Workersが根気強く男性の母親や、女性に子供をこれ以上増やさないように説得していくのだった。なかには13歳で学校を止めさせられ、結婚させられた少女もいた。

このままの増加率だと、インドはその子供たちに見合う十分な数の仕事はオファーできないため、貧困は減ることはない。先日私が書いたペーパーはインドのケララ州についてのものだったのだが、ケララは人口増加率がとても低く、教育レベルと健康管理、寿命については先進国に匹敵する。しかし地元にはやはり十分に仕事がないのだった。インド国内では高い生活レベルを維持している州であってもそのような状態なので、貧しい州がどのような状態なのかは想像がつく。ちなみにインドの人口ピラミッドは若い層が多く、年寄りが少ない。

次は日本の例。子供の人数が減り続けて、地方でのお年寄り暮らしがフォーカスされていた。改めて久しぶりに日本の町並み(渋谷)を見ると、気が狂いそうなほどの数の人がいるのに驚いた。忙しそうな人々の生活ぶりが映し出され、どうして子供をなかなか持ちたいと思わないのかインタビューに答える若い女性たち。ま、その反応は私とあまり変わらない。

とある女性アナウンサー(名前は知らないが顔はよく見かけたアンカーウーマン。44,5歳だろうか。)が仕事と子育てを両立させている一例として紹介された。彼女は仕事のキャリアを一番に考えていたが、37,8歳になったときに何かが自分には足りない気がし始め、子供を持つことを考え始めたと言う。日本では昇進すると、女性だろうが男性だろうがそれなりの責任を持って働くことを期待されるのだが、日本人の労働時間はとても長く、こういう中でキャリアを積みながら子供を持つのは、日本社会では大変であると言っていた。

この女性は41歳のときに子供を産んだ。出産後13時間子供の面倒を見てくれるデイケアセンターを見つけるのは大変だったらしい。日本社会では子供を迎えに行かないといけないからと言って5時に退社できることが許される風潮はない。そういう日本社会が変わらない限り、日本の出生率は増えないと思う、と彼女は言っていた。これには私も全く同感である。働く女性をサポートする仕組みと、世の中の人の考え方、働き方が変わらない限り、日本は女性がなかなか子供を持ちたがらない環境だと思う。

そして日本では子供の数が減りつつあることもフォーカスされていた。小学5年生の男の子が一人で教室にいる姿が映し出された。彼は学年で一人だけの生徒なのだ。その途端、教室からは大爆笑が起こった。私は「え?どこかおかしい?」と不思議に思ったのだが、あまりにも皆が愉快そうに笑っているので、その笑っている姿につられて私まで噴き出してしまった。でもどこがそんなに笑いのツボだったのだろう?しばらくしてまたその姿が映されると、また笑いが起こっていた。そんなに一人ぼっちの教室が笑えるのはなぜ?? おかしいと思わない私がおかしいのだろうか、と考えてしまった。

この他日本では、パラサイトシングル、今後の日本の人口減少、それに伴う若年層の減少と老人の増加に伴う社会への負担などが紹介された。こうして客観的に日本を見てみると、日本も問題山積みだ。そして日本の人口ピラミッドは下が少なく、老人が多い。

次はSub Saharan Africa。ここは世界でも最も貧しい地域である。最近の死亡率の高さはエイズによる影響が大きい。そしてここでの人口は若い層が多い。寿命が短いので子供を産むサイクルが早いのだ。若い層が多いということは、子供を繁殖する能力のあるcohortsが多いので、更に子供が増えてしまうことになる。(これがmacro inertia) そしてこれらが食料の需要の高まりにつながり、土地を開拓、牧草がcarrying capacity以上に消費され、それが自然環境を破壊する。

しかし出産率を減らすことに成功したアフリカの例もある。ケニアではここ20年ほどで一人当たりの女性が持つ子供の数を7人から4人へ減らすことができた。これらは様々な健康サービスの恩恵らしい。これで理想的な人口ピラミッドが出来上がるかというとそういうわけでもなかった。死亡率が歴史の中で初めて上がり始めたのだ。今までは衛生状態の改善などにより、死亡率は減ることがあっても上がることはなかった。これはエイズによる死が増えていることを意味する。とある女性の兄弟は子供を残して亡くなってしまったため、子供たちの面倒を見ることになった。学校を出ていない彼女が生活のためにできることは少ない。彼女はバーのようなところで働いていた。チップやもっといいお金をもらうためには体を売るしかないけれど…、とためらっていた。

こういうアフリカでの人口ピラミッドは子供がたくさんいる形になる。青年から熟年までは激減し、そして老人のわずかな生き残りの人がいるだけである。つまりピラミッドは底の大きな一輪挿しのような形になっている。働き盛りの大人がほとんどいないのだ。これは全てエイズによる死の結果である。アフリカの女性達はほとんどが結婚生活からエイズをうつされるらしい。そのため子供を持つか、エイズの危険から身を守るかを選ばないといけなくなっている。ボツワナの全女性の40%はエイズにかかっていると教授がビデオの後に言っていた。40%って、一体? 5人いたら2人がエイズだということになる。信じられない数だ。

最後にアメリカと東南アジアのことが少し触れられた。東アジアが経済成長できたのかは、人口増加率の低下も一つの要素であると言っていた。なぜなら子供の数が少なければ、全員がきちんとした仕事を持つことができる。そのため当然の結果として貧困が減ったということのようだ。

最終的なまとめとしては、人口抑制の鍵となるのは、女性への教育ということになるらしい。先日読んだケララの本でもやはり女性は大きな役割を担っていた。女性が文字を読めるようになる、教育を受ける、するとその子供たちもその恩恵を受けることができる。女性が正しい知識を得れば、健康、家族計画、衛生状態が著しく変わるらしい。そしてこれが子供の致死率を下げ、育つ子供の数が増えれば、最終的には子供の数が減っていく。

このビデオは、世界の一方では人口増加と貧困に苦しみ、また別の地方では出生率減少と働き盛りの人口が減ることによる社会的困難について描いていた。教授はこれをParadoxと呼んでいた。

私が昨日知ったことで一番驚いたのは、人類は未だに全世界の人口数を養えるほどの十分な食料を生産してはいない、ということだった。私はdistribution(分配)の問題だと思っていたのだが、そうではなく、実は十分な食糧は地球上には存在していないらしい。それなら私たちの周りにこんなに山のようにある食糧は、一体どうして今ここにあるのだろうか。教授は更に続ける。「先進国の人口数がどれくらいだと思う?全世界の人口数のほんの一部にしか過ぎないんだよ。(%は忘れてしまった。)それなのにほとんどの富や食料が先進国へ集中していて、発展途上国の人の多くは1日2ドル以下の生活をしていてその日食べるものにも困っているんだ。」

地球上には、全人類がきちんと食べられる食糧が生産されていなかったという事実に、昨日私はかなりショックを受けた。

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