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Health Services 100。

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本日は最後の週の月曜日。あと3回学校へ行くと、夏セッションもやっと全て終わる。金曜日にBiostatisticsのテストと、Health Servicesのファイナルペーパー提出を済ませるとそれで終わりになる。

今日はとても寝不足。なぜなら今日授業の前に、教授にペーパーのドラフトを見ていただくことになっていたのにも関わらず、書き始めたのは昨日の夜からだったからだ。このペーパーは全くの創作ペーパー。授業で学んだアメリカのヘルスケア(医療、保険、病院、教育など)を考えた上で、特定のpopulationに理想的なヘルスケアを考えるというお題なのである。

日本人から見ると、何のことだかよく分からないだろうが、アメリカには全員は入れる健康保険がない上に、保険の種類によって行くことができる病院と行けない病院がある。しかも保険の種類によってカバーされる治療とされない治療がある。ほとんどの健康保険はは雇用関係により、会社から提供されるいくつものパターンの中から自分にふさわしい保険を選ぶことになっている。患者のお金の支払い方法や保険会社から病院への支払われ方もそれぞれのパターンによって違う。はっきり言って何千種類もの方法があると言っていいと思う。どの会社へ行くか、家族構成、どれだけの収入があるかによって利用できる保険は人によって、文字通り千差万別なのだ。

保険のシステムも会社により違うし、病院にかかる方法も保険によって違ってくる。歯科治療が含まれているものもあれば、ないものもある。薬代も保険により異なってくる。病院へ行くたびに払わなければ行けないCopaymentもある保険もあり、そうでないものもある。簡単に説明するとこういうことなのだが、全ての健康保険医療システムを考えると、実際はもっと複雑になる。

アメリカにも1965年頃からは一応公的な保険もできた。それはMedicare(65歳以上)とMedicaid(貧しい人用)と呼ばれる保険。監督者は国の機関なのだが、実はこれらは州によって運営方法が違う。そして財源も国の税金と源泉徴収と両方。そしてこれらの公的な健康保険を使っても、これまた行くことが出来る病院とそうでないところがある。もう考えれば考えるほど、「誰がこんなぐちゃぐちゃな仕組みを作ったの?!どうにかしなさいよ!」と言いたくなるのが、アメリカの保険・医療システムなのである。

教授曰く、アメリカのヘルスケアシステムはいまだかつて一度も計画されて作られたことはなく、「どこかおかしい」「どこか足りない」というところに継ぎ足す形で発展してきたらしい。そして商業主義徹底のためにいろいろな人の利益が絡み、国が介入して一つのシステムを作り上げるということができなかったとのこと。

そのため人によって、雇われている会社によって、保険はいろいろ。財源の確保もいろいろ。通うことができる病院もいろいろ。こういう状況の中で、特定の人たちを選び出し、その人たちにとって理想的な総合的ヘルスケアシステムを作り出しなさいというのが、ファイナルペーパーのお題なのである。しかし単に国民健康保険を与えればいいというのではOKはもらえない。しかしその代わり、どんな保険を作り出してもいいし、それが実際的に活用されるレベルかどうかということは考えなくていい。とにかくどうしたら、その人たちにいい保険を与えられるか、財源をどうするか、どのように治療は受けられるか、そしてそのシステムの監督者は誰になるのか等々をまとめるのが宿題なのだ。

私はいろいろと考えたが、失業者(もしくは労働時間削減によりその会社の保険適用者でなくなってしまった人)と、その人たちの扶養者についての保険を作ることにした。急に失業して健康保険も取り上げられてしまったら、泣きっ面に蜂。その間に交通事故に遭ったりして緊急手術なんてことになってしまったら、何百万円もの借金を一気に背負うことになる。(ちなみにアメリカの医療費はとても高い。)そしてそれが返却できないために、一生を棒に振ってしまう人もいるだろうと思ったのだ。なのでこういう人たちの保険を作ってみることにした。
一応そういう人たちを対象にCOBRA(一応法律名)の下でその会社の保険を失業後も継続するという方法があるのだが、こうすると実は保険代がかなり高くなり、保険代支払いは自己負担102%にもなってしまう。(2%は管理費)どうして急にそんなに高くなってしまうかというと、会社が一切負担をしてくれなくなるからなのである。しかもこの継続保険はその企業が倒産したときには適用されなくなる。なぜならその継続保険も、その会社のグループ保険の延長として提供されるだけに過ぎないため、その大元の会社が倒産してしまったら、そのグループ保険自体も消滅してしまうことになるのだ。これらの理由により、折角法律ができたにも関わらず(1985年)、この継続保険を利用しているのは20%ほどの人たちだけらしい。なのでこういう失業者向けの公的保険を考えることにした。

土曜日は一日テキストを読み(今までサボっていたので)、ネットでいろいろな国の保険システムを調べたり、COBRAの申請書自体や、Medicaidについての資料を読んでみたり。(私は一度CA州のMedicaidでMediCalというものお世話になったこともあるので、そのとき送られてきた資料も読んでみたりした。ちなみに私が該当したのは、特定の病気に関する保険でMediCalの一種だった。)そうそうこのWebsiteがおもしろいので、時間がある方はぜひ。http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/sickaroundtheworld/

どうにかさらっと自分のアイディアをまとめてみたのだが、9ページほどで終わってしまった。実は15ページ書かなければいけないのだが、今日の教授との面談中、教授にアイディアをもらったり、自分でも話しているうちにひらめいたことがあったりしたので、どうにか明日中には書き終わりそうだ。

この教授は成績をつけるのが大嫌いだ、と初日の授業で言っていた。そして試験のために勉強をするほどナンセンスなことはないという考えの持ち主なので、このファイナルペーパーと出席だけで成績が決まることになっている。私はこの教授の方針がとても好きだ。学んだことを踏まえて自分で何も形がないものを新しく作り出す場合、やはりそれなりに自分で意識的に学んだり、調べたり、考えたりしないと何も作り出せない。新しいものを考え出すにはそれなりの知識が必要だ。決して授業で学んだものだけでは足りない。そのため週末は久しぶりに自ら勉強をして考え抜いた、という気分に浸った。今日の面談中、教授は「それこそが生徒にして欲しいことなんだ。」と言っていた。

学生に本当に学ばせるということはこういうことだと思う。私はこういう考えを持った教授が大好きだ。そして彼は授業のみならず、将来のことについても相談に乗ると言ってくれている人なのである。実は今日、大学院についての相談にも乗ってもらってきた。誰かがこの教授評に、「教授はMentorである。」と書いていたが、私も全く同感である。

この教授に学べて本当によかったと思う。ちょっと特殊な分野の授業なので、学生も大学院生から現役看護婦(数人)、歯科助手、保険会社勤務、薬剤師などがいるクラスだったので、全く不真面目な学生のいないレベルの高い授業だった。皆真剣に学ぼうとしているのがよく分かり、受けていてとても気持ちのいいクラスだった。あと1回で終わりなのがとても残念。しかし私は間違いなく一般のアメリカ人(医療関係者でない人)よりもアメリカのヘルスケアシステムに詳しくなったと思う。大学卒業後自分で保険を選ぶことになったときには、大いに参考になるに違いない。(在学中は学校の保険に加入)

いやー、とてもいい授業だった。

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